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- Column -

第1回 東京のマンションは高いか?安いか?

はじめまして。

今日から全3回の連載でお届けするこのコラムでは、主に諸外国との比較の視点から、東京のマンションの投資機会について解説します。読者の皆様が東京でのマンション投資をお考えになる上での一助になれば幸いです。

その第1回として、東京のマンションは世界の主要都市と比べて高いのか、あるいは安いのか。そういったお話を取り上げたいと思います。

東京と世界の比較

世界的な不動産仲介会社であるナイトフランク社が、「100万ドルで買えるマンションの広さ」という興味深い指標を公表しています(Knight Frank “The Wealth Report, 2015″)。これは、世界20都市の高級住宅街において、100万ドル(調査時点である2014年の平均為替レートで1億円強に相当)を払うと、どれだけの面積のマンションを買えるか、という指標です。このランキングの一部は以下のとおりです。よりイメージしやすくするために、坪単価に換算した値も示しています。

1. モナコ 17平方メートル (坪単価2,060万円)

2. 香港 20平方メートル (坪単価1,750万円)

3. ロンドン 21平方メートル (坪単価1,670万円)

4. ニューヨーク 34平方メートル (坪単価1,030万円)

5. シンガポール 39平方メートル (坪単価900万円)

16. 東京 86平方メートル (坪単価410万円)

東京で人気のあるエリアで80㎡を超えるファミリー向けマンションを買おうとする1億円くらいかかる、ということにさほど違和感はないように思われますが、これほどの価格水準でも対象20都市のうち16位に過ぎません。北京やイスタンブールよりも下、インドのムンバイより一つ上という順位にあります。

ランキングからわかること

さて、東京の位置づけに着目する前に、まずはランキングの上位5都市を見てみましょう。トップのモナコは世界中のセレブや超お金持ちがこぞって別荘を構えるような特殊な土地柄ですので、これ以外の4都市を考えます。
これらの都市でなぜ住宅が高いのか。住宅の供給に比べて需要が大きいことが原因であることは共通なのですが、そうした現象の背景となる要因の相違によって、この4都市は二つの類型に分けられます。

一つ目の類型は、イギリスとニューヨーク。これらの都市では高級住宅街での供給が物理的に過少であることが高い価格の要因となっています。
二つ目の類型は、香港とシンガポール。これらの都市では社会的な背景から持家の取得に対する傾倒が強いことによって高い価格が維持されています。
翻って東京。結論から申し上げますと、東京はこのどちらの類型とも似ていません。(次回に続く)

経済研究一筋!!市場分析のスペシャリスト

吉野 薫Kaoru Yoshino

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