投資のプロが語る

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第3回 東京でのマンション投資の定石とは?

前回までに、東京のマンション投資を考える上での特徴を説明しました。すなわち東京では、一定の利回りを確保することができ、かつ賃料は安定している、という特徴があります。

「東京の不動産での定石」

一方で「安く買って高く売る」という投資機会に乏しいことにも触れました。もちろんそうした機会が皆無であるというつもりはありません。実際、筆者の知り合いの中にも、「スカイツリー効果のおかげで、錦糸町のマンションが買ったときよりも高く売れた」という人がいます。しかしそうした機会に巡り会うのはほとんど「運」の世界。各種インフラや大規模施設の新設を見越して、それに近接する物件を狙って投資することは着眼点としては悪くありませんが、キャピタルゲインを得られる可能性は高くないと考えたほうが無難です。

こうしたことから、東京では賃貸市場での競争力ある物件に投資し、長期的・安定的に賃貸収入を得ていく、ということが、マンション投資を考える上での定石だと結論づけられます。

「空室がすぐ埋まる物件の見極め方」

ここでいう賃貸市場での競争力とは何か。前回触れたとおり、東京の賃料は安定していますが、これは裏を返せば賃料が上がりにくいということでもあります。したがってここでの狙い目は、「たとえ空室になってもすぐ埋まる物件を見極める」ということに帰着します。

それでは空室がすぐ埋まる物件とは何か。その重要なポイントを二つ示した上で、この連載の締めくくりとしたいと思います。

まず一つ目は立地です。人口現象社会の我が国にあって、全国のあらゆる賃貸住宅が今後も安定的に賃料を生み出す訳では決してありません。通勤・通学や生活の利便性の高い場所にある物件が好まれることは当然のことです。また、その場所を好むであろう世帯が、ファミリー層なのか、あるいは学生や若い勤労者の単身世帯なのか、はたまた子育てを終えた高齢者世帯なのか。こういったことも立地と絡めて具体的にイメージすべきでしょう。

二つ目には管理です。マンションの物的な価値が年を経るごとに劣化することは避けられませんが、管理の善し悪しによって20年後、30年後の物件の見栄えや住み心地には大きな差が生まれます。将来に亘って少しでも建物の価値を維持しようとすれば、日々の管理をおろそかにしてはなりません。これは個人のマンション投資家にとってはなかなか難しい点ではありますが、少なくとも信頼に足る管理業者に管理を任せる、という心構えはしておきたいものです。

以上、全3回に亘って東京のマンションの投資機会について述べてきました。マンション投資をお考えになる全ての人が、可能な限り堅実で安全な投資行動によって資産形成に成功されることを筆者は切に望んでいます。

経済研究一筋!!市場分析のスペシャリスト

吉野 薫Kaoru Yoshino

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