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第2回 老後は自助努力が必要!自分年金をつくるには?

少子高齢化が加速し、平均寿命も伸びている中、公的年金だけでは老後の生活は十分に賄えません。一般的に老後を迎えるまでに準備したい金額は夫婦で3000万円程度といわれています。とはいえ、3000万円もの金額を一気に準備するのは至難の技。コツコツと積立方式でお金を貯めて、「自分年金」を作ることが大切です。そこで今回は「自分年金づくり」に有効な商品を解説します。

リスクをあまりとりたくない人は、個人年金保険

今から老後のお金を準備する方法にはさまざまなものがあります。貯蓄方法として身近なのは預貯金ですが、元本割れはない代わりに金利がゼロに近い状況ではお金は増えません。

効率よく老後のお金を貯めるには、将来年金として受け取れる年金型の金融商品・仕組みがおすすめです。

リスクをあまりとりたくないけど、確実に老後の自分年金をつくりたいという人に人気なのが、民間の保険会社で扱っている「個人年金保険」です。
個人年金保険とは、60歳や65歳といった一定の年齢まで保険料という形でお金を積み立てておくと、あらかじめ設定した年齢から年金を受け取れるという仕組みの保険です。積立期間まで保険料を積み立てれば、基本的に元本割れの心配はありません。
一定の要件を満たせば、所得控除のひとつである「個人年金保険料控除」が適用になり、税金の優遇が受けられます。その結果、所得税、住民税が安くなります。

例えば、毎月保険料を1万円支払って、個人年金保険に加入した場合、所得税の税率が10%の人の場合、所得税は8,000円、住民税は2,800円程度軽減できます。

ただし、途中で解約すると元本割れするので注意が必要です。また、一昔前のバブルの頃は、運用利率もよく、預貯金よりも積極的に増やせた時代がありましたが、現在は、マイナス金利の影響で大きく利率が下がっていたり、販売停止になったりといったデメリットもあります。

自分年金づくりの代表格といえば、iDeCo

そんな中、老後のお金を準備するのに最も有効な方法として注目されているのが「確定拠出年金」です。確定拠出年金には「企業型」と「個人型」の2つの種類がありますが、最近、メディアなどでも取り上げられ話題なのが、個人型確定拠出年金、通称「iDeCo(イデコ)」です。

iDeCoは、2017年1月から加入できる対象者が大幅に拡大され、専業主婦(夫)、公務員、すべての会社員が加入できることになりました。

iDeCoの特徴は、加入者自身が運用商品を選択し、その運用成績次第で将来の受取額が変わるところです。公的年金も従来の企業年金である確定給付年金も将来の受取額はある程度確定していますが、iDeCoの場合、確定しているのは自分自身が支払う「毎月の掛金」のみ。将来の年金の受取額は自分が選んだ商品の運用成果にかかっています。iDeCoは運用成績がよければ将来の受取額が増えるほか、転職時に年金資産を移管できたり、掛け金が全額所得控除となるため節税効果が期待できたり、投資商品で運用した場合、積立期間中は利益がでても税金がかからなかったり、受取時にも税制の優遇があったりとさまざまなメリットがあります。

メリットの中でも一番大きいのが「税金優遇」のメリットです。
例えば、iDeCoは、掛け金の全額を「所得控除」できます。税金は、税込収入から様々な「所得控除」を差し引いた「課税所得」に対してかかります。つまり、所得控除が増えるほど、支払う所得税が減るので、この制度を利用すると大きな節税が可能です。iDeCoの掛け金は、「小規模企業共済等掛金控除」という所得控除を受けられます。掛け金の上限は、その人の属性によって違います。

例えば、所得税の税率が10%の人が、毎月2万円を拠出した場合、年間の掛け金の合計金額は24万円になります。この場合、所得税、住民税(住民税は一律10%)ともに24,000円が減額となり、合計で4万8,000円が節税できます。

メリット・デメリットをよく見極めてバランスよく商品を選ぼう

今回は将来の自分年金づくりの商品として「個人年金保険」と「iDeCo」を紹介しましたが、今までお話ししてきた通り、それぞれメリット・デメリットがあります。

どの商品でも万能な商品はないので、リスクを低減させ上手にお金を増やすためには「分散」が大切です。昔からの有名な投資の格言に「ひとつのカゴに卵を盛るな!」というものがありますが、ひとつの商品にお金をつぎこんでしまうと、その商品が大きく値下がりした場合、大きなダメージを受けてしまいます。商品の特徴を理解してバランスよく分散しましょう。

また、個人年金保険、iDeCoともに、所得控除が適用になるお話しをしましたが、お金を増やすことを考えるときには、利回りだけではなく、節税をして手元に残るお金を増やすという視点も重要です。

平均寿命が伸び、老後の期間が長くなった今の時代、長期的に安定的にお金を増やしていくための知識を身につけ実行することが大切ですね。

高山 一恵Kazue Takayama

  • 「金融機関が教えたがらない年利20%の最強マネー術」(河出書房新社)
  • 「税金を減らしてお金持ちになるすごい方法」(河出書房新社)
  • 「一番わかる確定拠出年金の基本のき」(スタンダーズ)
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  • 「やってみたらこんなにおトク!税制優遇のおいしいいただき方」(きんざい)
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