投資のプロが語る

- Column -

第3回 お金に働いてもらいながら、将来のお金を準備するコツ

前回は効率よくお金を貯める方法についてお話しましたが、今回は、お金に働いてもらいながら、将来のお金を準備するコツについてお話します。お金に働いてもらう、いわゆる「資産運用」の方法には、株や投資信託、外貨投資、不動産投資など、様々な方法がありますが、1つの商品に集中して運用するのは、失敗した時のリスクが大きく危険です。商品の特徴をよく理解してバランスよく活用しましょう。

資産運用の基本は「分散投資」

 資産運用とひとくちにいっても、株や投資信託、外貨投資、不動産投資など様々な方法があります。まず、資産運用を考えるときには、自分の資産全体の「ポートフォリオ」を考えることが大切です。
ポートフォリオとは、「資産の組み合わせ」のことを指します。では、どういう風に組み合わせればよいでしょうか。資産運用を行うときは、商品単位で考えるのではなく、「地域」や「資産」を組み合わせることが大切です。具体的には「日本だけ」でなく、先進国や新興国なども含めて国内外を対象とし、株式だけでなく値動きの違う債券、不動産も組み合わせます。

資産運用の王道は「分散投資」です。この分散投資の考え方は、最悪なケースを避けつつ安定的に利回りを得るためには必要な考え方です。
イギリスの有名な投資格言に「タマゴを一つのカゴに盛るな」というものがあります。これは、すべてのものを一つのカゴに集中させてしまうと、カゴを落とした時にすべて割れてしまうけれども、あらかじめ複数のカゴに分散しておけば、カゴを落とした時のリスクも分散できる、ということを示唆しています。

1つの投資対象、1つの資産に集中的に投資した場合、当たった場合は大きいですが、はずれた場合、資産が減るどころではなく最悪資産を全て失うということにもなりかねません。そうならないようにするために資産の分散、地域の分散を行い保有しておきましょう。

何もかも万能な商品はない

みなさんにお伝えしておきたいのが、「何もかも万能な商品はない」ということです。預貯金には預貯金の良さが、投資信託には投資信託の良さが、不動産には不動産の良さがあります。

そして、数字的に高いリターンが期待できたり、合理的にできていたりする金融商品を購入することが正しいとも限りません。数字的に高いリターンは、あくまでも過去のデータに基づいて算出されており、将来もそのリターンが約束されたものではありません。一見合理的でなくてもそれを購入する方が他の金融商品を購入するより心のハードルが低ければ、それが正解という考え方もあります。

また、銀行に預金するのと、保険を契約するのと、投資信託を購入するのとでは、窓口となった金融機関が万が一経営破綻した時の預けた資産の保全の仕組みも異なります。こうしたことを踏まえると、例えば、老後資金のような大きなお金を貯めるのであれば、商品の分散を行うことは大切です。

資産運用は出口戦略が大切!

多くの人が資産運用を行うときに、「一体いくら儲かるのか」といった「リターン(収益)」を気にすることでしょう。もちろん、リターンを気にすることは大切なのですが、実は、資産運用で最も大切なことは「出口」の部分です。利益が出ている状況において売却する際に、いかに「お得に」利益を手にすることができるかを考えることが大切です。

出口を考える上で大切なのが「税金」への対応です。税金はあなたが頑張って稼いだ利益を確実に減らす、いわば、損失。可能な限りこの損失を減らし、着実にリターンを積み重ねるには、税制的に有利な制度、商品を活用することが必須です。

例えば、銀行の定期預金にお金を預けると利息がつきますが、その利息から20.315%の税金が差し引かれます。また、証券会社に口座を開設して株式や投資信託を買い利益が出た場合や配当金が出た場合にも20.315%の利益の税金が差し引かれます。せっかく株式や投資信託で100万円儲かったとしても、そこから20.315%の税金が差し引かれるということは、実際手にする利益は80万円程度になってしまうということです。つまり、可能な限り、税金のかからない方法で資産を形成することがとても重要なわけです。

NISA口座を活用して資産運用をする、不動産投資のような経費を計上できる商品を上手に活用するなど、税制的に有利な制度を活用して資産を形成するのとしないのとでは、運用効率の面でかなりの差がでてきます。

高山 一恵Kazue Takayama

  • 「金融機関が教えたがらない年利20%の最強マネー術」(河出書房新社)
  • 「税金を減らしてお金持ちになるすごい方法」(河出書房新社)
  • 「一番わかる確定拠出年金の基本のき」(スタンダーズ)
  • 「パートナーに左右されない自分軸足マネープラン」(日本法令)
  • 「やってみたらこんなにおトク!税制優遇のおいしいいただき方」(きんざい)
高山 一恵 コラム一覧