投資のプロが語る

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第1回 自分に合った保険を選ぶには?

一昔前、日本の平均的な家族像といえば、夫婦と子ども2人でした。ところが、現在は、生涯独身を貫く人もいれば、結婚しても子どもを持たないDINKS、シングルマザー、シングルファザーなど、さまざまなライフスタイルや家族の形があります。誰もが一度は保険への加入を考えたことがあると思いますが、ライフスタイルや家族構成によってどんな保険が必要になるかは全く違います。保険に加入する際には、自分にとって必要な保障を考え適切な保険に入ることが大切です。

独身を貫きたい方は、病気・怪我による収入ダウンに備えることが大切!

独身を貫く方がまず考えたいのが「医療保険」です。もし、病気や怪我で働けなくなり収入が減少しても、その間の生活費や医療費は待ったなしでかかります。貯蓄が十分あるなら話しは別ですが、もしもの入院や手術に備えて、最低限の保険があると安心です。

また、会社員の場合には、病気などで会社を休んでも健康保険からお給料の3分の2が1年6カ月にわたって「傷病手当金」が支給されますが、国民健康保険に加入している自営業やフリーランスの場合は、傷病手当金の制度がありません。

ですから、会社員が医療保険に加入する場合には、入院日額5000円程度のもので良いかもしれませんが、自営業、フリーランスの場合には、入院日額は7000円〜1万円程度は準備した方が安心です。さらに、現在は、入院せずに通院しながら治療するケースも多いので、通院保障もついているタイプの医療保険に入っておくと使い勝手が良いでしょう。
 
この方の場合、養う家族がいなければ大型の死亡保険は必要ありません。ただし、親に仕送りをしているなど、養う家族がいるなら、その分の死亡保険は必要になります。お葬式代300万円程度が貯蓄で用意できないのであれば、いつもしものことがあっても保険金がもらえる終身保険で備えるのもひとつの方法です。

DINKSが収入減少に備えるなら「所得補償保険」の検討を

子どもを持たず、夫婦ともにバリバリ働いているDINKSの場合、パートナーが死亡しても、お互いに自分の収入で生活していける可能性が高いので、死亡保険は必要ありません。

備えたいのは病気や怪我によって働けなくなるケースです。特にDINKSの場合、家計に余裕があるため外食費や余暇費などの支出が膨らみがち。ですから、病気や怪我で治療期間中に収入が減ってしまうと家計に大打撃です。

では、DINKSが病気・怪我による収入減少に備えるにはどうしたらよいのでしょうか?オススメは、損害保険の「所得補償保険」や生命保険の「就業不能保険」の活用です。

これらの保険は、月収の一定額以内で月額を決めて契約します。入院せず自宅療養中でもOKなところが医療保険とは異なる点です。また、医療保険であれば、1入院の限度日数が60日以内や120日が主流ですが、これらの保険は2年などの長い期間保障されるので、大病を患い治療が長引いたときなども安心できるでしょう。

ローンを組んで持ち家を買っている場合、死亡保障の見直しを!

DINKSの場合、死亡保障は特に必要ありませんが、家を購入している場合には、パートナーが死亡した際のローンの返済に備えて、死亡保険の保障額を厚くして、毎月高額の保険料を払っているという人も多いようです。

当てはまるという人は、「団体信用生命保険」に注目しましょう。「団体信用生命保険」とは、住宅ローンを組んだ人が死亡または所定の高度障害状態になったときに、その保険金で住宅ローンを返済するための生命保険です。住宅ローンを組む時に、ほとんどの金融機関で団体信用生命保険の加入が義務付けられています。

団体信用生命保険に加入していると、ローンの契約者に万が一のことがあってもローンの残高と同じ金額の保険金額が借り入れ先の金融機関に支払われます。つまり、残された遺族はその後の住宅ローンの支払いがなくなるのでその分、保障の金額も減らせるのです。

子供がいる家庭では、大型の死亡保障が必要!

共働き家庭にせよ、専業主婦家庭にせよ、子供がいる家庭では、まとまった死亡保障が必要です。というのも、万が一、親が亡くなった場合に備えて子どもの生活費や教育費を確保する必要があるからです。

とはいえ、数千万円もの大型の死亡保障に加入するとなると、高額な保険料がかかってしまいます。そこでオススメなのが、例えば、子どもが成人するまでなど、一定期間のみ、大型の保険が買える「定期保険」で備える方法です。掛け捨てなので、解約返戻金などはありませんが、その分、安い保険料で大きな保障が手に入ります。

また、最近人気なのが、「収入保障保険」。収入保障保険は、定期保険と同じように一定期間の死亡に対する保障です。定期保険と大きく異なるのは、保険金の支払いが、毎月、あるいは毎年、分割して支払われる形であることです。毎月分割タイプの場合には、毎月15万円や20万円といった決まった金額をお給料のように受け取ることができるので、それまでお給料を使ってきたのと同じ感覚で生活を維持することができます。

この保険の特徴は、加入時の保障がいちばん高く、年数を経るにしたがって徐々に保障が下がっていくところにあります。つまり、徐々にもらえる保険金額が減らせるので保険料が安いという特徴があります。

なお、前述のように、住宅ローンを組んでいて団体信用生命保険に加入している場合には、DINKSの場合と同様、死亡保障を減らすことができます。

高山 一恵Kazue Takayama

  • 「金融機関が教えたがらない年利20%の最強マネー術」(河出書房新社)
  • 「税金を減らしてお金持ちになるすごい方法」(河出書房新社)
  • 「一番わかる確定拠出年金の基本のき」(スタンダーズ)
  • 「パートナーに左右されない自分軸足マネープラン」(日本法令)
  • 「やってみたらこんなにおトク!税制優遇のおいしいいただき方」(きんざい)
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