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第3回 老後の年金作りは個人年金保険が最適?

老後の自分年金作りの手段として「個人年金保険」に加入している人も少なくないようですが、現在の個人年金保険の予定利率はかなり低い水準になっており、活用するメリットがなくなってきています。個人年金保険に加入するにあたっては、気をつけたいポイントがいくつかありますので、確認しておきましょう。

個人年金保険とは

そもそも個人年金保険とは、公的年金で不足する老後の資金を補うために加入する商品です。毎月一定額の掛け金を支払い、保険会社はそれに一定の利息をつけて積み立てます。

60歳や65歳など契約時に決めた受取開始年齢から年金を受け取ることができ、一括で受け取ることも可能です。保険料払込期間中に死亡した場合は、掛け金支払い相当額の死亡給付金を受け取ることができます。

個人年金保険には、一生涯にわたって年金を受け取れる「終身年金」と10年、15年など、期間を定めて年金を受け取れる「確定年金」の2種類があります。

利率が低い今は入り時ではない!?

現在は、マイナス金利の影響で、個人年金保険に加えて、養老保険、学資保険などの貯蓄型の保険の予定利率は史上最低金利となっています。
個人年金保険は、商品にもよりますが、基本的に「契約時の利率」で運用されます。ですから、今のような超低金利の時期に個人年金保険に入るメリットは少ないといえるでしょう。

最近では、円建ての個人年金保険の利率があまりにも低いので、「外貨建ての個人年金保険」が主力になっています。利率だけみると、円建ての個人年金保険よりもはるか利率が高いので一見魅力的に見えますが、その分、リスクも大きいといえます。というのも為替リスクがあり、為替が円安になれば、将来もらえる年金額が多くなりますが、円高になれば少なくなる可能性があるからです。

また、円から外貨に変えるときに「為替手数料」がかかります。外貨のまま受け取るのであれば為替手数料はかかりませんが、円で受け取る場合は、為替手数料がかかります。さらに途中解約の場合も解約手数料がかかります。
このように、意外と多くの手数料が差し引かれてしまうので、金利が高いというだけで飛びつかないようにしましょう。

老後の自分年金として注目されるiDeCo&不動産投資

個人年金保険の予定利率が低金利なことから、将来の自分年金として現在注目を浴びているのが「iDeCo(個人型確定拠出年金)」や「不動産投資」です。

iDeCoは、2017年1月から加入できる対象者が大幅に拡大され、専業主婦(夫)、公務員、すべての会社員が加入できることになりました。
iDeCoの特徴は、加入者自身が運用商品を選択し、その運用成績次第で将来の受取額が変わるところです。iDeCoは選択した商品の運用成績がよければ将来の受取額が増えるほか、転職時に年金資産を移管できたり、掛け金が全額所得控除となるため節税効果が期待できます。また、積立期間中は利益がでても税金がかからなかったり、受取時にも税制の優遇があったりとさまざまなメリットがあります。

ただし、人により掛け金の上限金額が決まっており、例えば、公務員の方は、毎月1万2000円までしか掛け金を拠出することができません。ですから、iDeCoに加えて、安定した家賃収入を得て将来の年金のプラスアルファを作るために不動産投資を検討する人も少なくありません。

不動産投資は、優良物件を選ぶことができれば、毎月安定して一定額の家賃収入が入ってくるところがメリットです。また、通常、不動産投資をするときには、ローンを組んで物件を購入しますが、会社員や公務員は安定した収入があるので、銀行からの信用度が高く融資を受けやすいというメリットがあります。そして、ローンを利用できることで、少額の頭金で数千万円の不動産投資を始めることができます。

老後はそれなりにまとまったお金が必要なので、様々な商品を組み合わせて効率よく準備していきましょう。

高山 一恵Kazue Takayama

  • 「金融機関が教えたがらない年利20%の最強マネー術」(河出書房新社)
  • 「税金を減らしてお金持ちになるすごい方法」(河出書房新社)
  • 「一番わかる確定拠出年金の基本のき」(スタンダーズ)
  • 「パートナーに左右されない自分軸足マネープラン」(日本法令)
  • 「やってみたらこんなにおトク!税制優遇のおいしいいただき方」(きんざい)
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