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金利の動きと不動産投資【プロが教える不動産投資コラム】

政府は先般東京1都3県における緊急事態宣言を2週間再延長する事を発表しました。新型コロナが発生して以来、すでに1年以上経過している現在においても私達の経済・生活において大きな影響が及んでいます。このようなコロナ禍においても主要各国は大規模な経済対策に動き出しており、それに伴い米国や日本では金利にも動きが出てきています。

金利の動きは世界経済、日本経済さらに私達の生活など身近な所でも影響が出ています。特に大きなお金が動く株式市場などは敏感に反応する傾向にあります。また低金利が持続している影響で日本では銀行の手数料が値上がりしてきています。また世界を見渡すとドイツではなんと銀行にたくさん預金をすると逆に利息を取られるそうです。これはただ銀行にお金を預金しておいても経済が動かないのでなるべく消費にお金が向かうような一つの政策と考えられます。日本においても市中銀行が日銀に預けるお金も一定額を超えるとマイナス金利になるという事もあります。

今回はこのような金利の動きと不動産投資について考察したいと思います。

景気対策や設備投資が金利上昇の要因に

近年は世界中に緩和マネーが流入し株価や不動産価格にも影響が及んでいます。

新型コロナが発生しアメリカは総額200兆円を超える大規模な経済対策、さらにいち早いワクチンの接種、これらの事によりその先に景気回復期待感とともに長期金利が上昇する傾向となっています。

例えばよく景気の一つの指標として「人の動き・移動」が考えられます。

筆者はよく出張で新幹線を利用しますが、さすがにこのコロナの状況では以前より乗客が大分減りました。新幹線の一つの車両に乗客が数人というまばらな状態も珍しくありません。

つまりそれだけ移動する人が少なくなったという事は、宿泊や飲食、買い物や観光などお金を使う機会が減って消費が停滞し結果、経済そのものが低下という道をたどる訳です。

ところがワクチンが浸透しまた人の動きが活発になれば移動距離も伸び消費も増えていく訳です。また企業の設備投資などの大きな資金需要が高まるという期待感も長期金利を押し上げる要因となっています。

長期金利は先行指標とも考えられる

つまり長期金利の動向は現時点の経済状況の「先の先」を行くようなマーケットとも言えるかもしれません。

その長期金利の変動は直近でも米国株式市場や日本の日経平均株価などにも影響を与え、1日おける値幅が1,000円を超える事も珍しくありません。

最近、私のセミナーに参加したお客様の中で、株式投資で一定の利益を確保できたのでこのタイミングで一旦利益確定しそのキャッシュで東京都内のワンルームマンションを現金で購入されたお客様もいらっしゃいました。

株式投資のままに置いておいて優良企業であれば年間配当が3%前後期待できる銘柄も多々ありますが、マンションに置き換えておけば、その利回りも「安定した利回り」に変わる訳です。ではワンルームマンション投資などフルローンを借りているお客様にはどのような影響があるのでしょうか。

マンション投資のローンのしくみ

基本的にワンルームマンションなどのマンション投資系のローンは長期金利を元にした長プラ連動型ローンと、政府の政策金利などが影響するいわゆる短プラ型ローンに分かれます。いずれのローンも仮に金利が上昇したとしても5年間は利息と元金の割合は変動しますが毎月の返済金額は一定となります。5年を経過した場合に金利が上昇したとしても毎月の返済金額は1.25倍にプロテクトされています。金利は各金融機関がそれぞれ長プラ、短プラ金利に上乗せ幅は変わります。最近では同じ変動金利でも当初2年間は固定のローンが人気があるようです。

つまり同じ金利の影響でもダイレクトに影響を受けやすい株式投資と比べて不動産投資は金利上昇の影響をそれほど受けづらい投資と言えます。 また金利が上昇するという事は一定の節税効果にも寄与します。

金上昇の先に見えるものはインフレか

さらに大切な事は金利上昇の過程の中での資産価値の変動です。

金利が上がるという事は素材価格などいわゆる「企業物価」の上昇を意味しますので、その先に見えてくるものは物価上昇・インフレという事になります。

インフレになるという事は物の価値が上がり、お金の価値が下がる事を意味します。

例えばAさんは1台100万円の車を全額ローンで借りました、仮に金利が1%とします。しかしその車が1年後に2%上がって102万になったとしますと、1%の金利はプラス1%からマイナス1%になる訳です。

これは預貯金にも同じ事が言えて、銀行に大口定期で1,000万円預金して仮に1%の利子を得たとしても物価が1%上がれば実質ゼロ金利、物価が2%上がれば実質マイナス金利(利息)となる訳です。 このようにコロナの出現により大規模な経済対策、さらに長期金利の上昇、さらにインフレの可能性、現金の価値の低下、資産価格の上昇という様々な動きが想定されます。

過去のような急激な景気上昇は予想できない

現在の日本における金融情勢はバブル期の状況とは明らかに異なると言えます。バブル期においては居住用の住宅ローンでさえ金利が5.5%、さらにマンション投資系のローンなどは8%という状況でした。また日本は今や経済大国となっており新興国のような高金利の状況に戻る事は考えづらいと思います。つまり多少の金利上昇局面になったとしても一定の範囲で収まる可能性が高いと考えます。

アフターコロナにおいては資産格差の増大、所得格差の増大、さらに不動産業界においては再開発の有無などの地域格差など様々な局面が予想されます。

長らく金融緩和が続きいわゆる「適温状態」と言われた経済状況が少しずつ違った局面になる可能性を帯びています。 このように歴史的な超低金利の状況が続いていますが今後は緩やかながら金利上昇も予想されますが、不動産投資などの資産形成においては依然有利な状態が続くと考えられます。このような局面において金利の大切さというものを改めて見つめ直すいい機会にして頂ければ幸いです。

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