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「再開発・資産価値・未来」渋谷駅が変える都市投資戦略! 2034年完成の“渋谷最終章”がもたらす「不動産・交通・経済」革命とは?

「100年に一度」と称される渋谷駅周辺の大規模再開発が、いよいよ最終章へと突入しました。2034年度の完成を目指し、東急・JR東日本・東京メトロが進めるこのプロジェクトは、都市機能の刷新だけでなく、周辺不動産の資産価値や投資環境にも大きな影響を与えると注目されています。

本コラムでは、渋谷再開発の全貌とその投資的インパクトを徹底解説します。

東急・JR東日本・東京メトロなどから、渋谷駅街区計画、最終章の発表

2025年5月9日に、渋谷駅周辺再開発を進める東急やJR東日本、東京地下鉄から渋谷再開発の完成が当初予定の2027年から2034年度へと7年先送りする事が発表されました。その理由としては鉄道利用者の利便性の維持のため工事計画の見直しが行われ、最終工事の起工式が5月19日に行われました。「100年に一度」と言われる渋谷の再開発もいよいよ大詰めを迎えているようです。

2030年度から2034年度にかけて「渋谷」駅の乗り換えや周辺のアクセスなども大幅に進化します。また2031年度には駅と直結した「渋谷スクランブルスクエア第Ⅱ期(中央棟・西棟)」が完成します。

2030年代は「渋谷」駅及び周辺の再開発が一定の完成を迎える時期となると言えます。では「渋谷」駅は今度どう変わって行くのか見てみましょう。

現在も改良工事が進む渋谷駅

「渋谷」駅はJR山手線などの他、東急東横線線や京王井の頭線、東京メトロ銀座線や半蔵門線などが利用できるターミナル駅です。近年は駅構内の様子も大きく変わってきました。「渋谷」駅は筆者もよく利用しますが、現在工事が進み通路などもよく変わりますので完成時の様子も想像がふくらみます。

2013年にはそれまで山手線のホームと並んでいた東急東横線のホームが地下に移転しました。この頃から渋谷駅の大改造が始まってきたと感じました。2020年に完成した銀座線の新しいホームはその曲線的なデザインなども斬新で、とても未来的なイメージを感じました。

東急東横線は地下に移転し、東急田園都市線と通路でつながり巨大な地下ホームに生まれ変わっています。以前の渋谷駅に慣れ親しんだ筆者にとっては、まるで別の駅のようにも感じます。

近年の渋谷駅の歴史を見てみましょう。

出来事
1996年埼京線が停車
2001年湘南新宿ラインが停車
2008年東京メトロ「副都心線」が開業
2013年東急東横線のホームが地下に移転副都心線と東急東横線が直通運転を開始
2020年東京メトロ銀座線の新ホーム完成埼京線ホームが山手線ホームの近くに移転
2023年山手線の内回りと外回りが同じホームになる

もともと「渋谷」駅は歴史が古く、さらに駅の規模が比較的小さい所に多くの路線が乗り入れているために駅構造が複雑となっていました。「渋谷」駅はダンジョン(迷宮)の様相ともなっていますが、まさに今は工事の真最中であり、今後「渋谷」駅がどう変わっていくのか楽しみでもあります。

今後予定されている「渋谷」駅の改良計画は

では現在進められている「渋谷」駅の計画について見てみましょう。

  1. 「渋谷」駅の東西をデッキで結ぶ歩行者ネットワーク「スカイウェイ」などが計画されています。「渋谷」駅周辺は国道246号で街が分断されていたり高低差があったりしますが、こうした渋谷駅周辺部に回遊性が生まれ、駅から駅周辺のビルや施設などにも行き来がしやすくなります。また地下通路やバリアフリー導線も整備されます。
  2. 「渋谷」駅の改札・コンコースの完成と駅の東西を結ぶ幅20mの自由通路が整備されます。「新宿」駅でも東西を結ぶ通路が2024年に完成しましたが、大きな通路で壁面には映像が映し出され多くの人が行き来しています。渋谷駅でも駅東西の発展につながります。
  3. ハチ公広場を含めた駅前広場の整備が2034年度に完成予定です。

昭和9年に作られた「ハチ公像」は渋谷でも古くから待ち合わせの目印としてもお馴染みでした。訪日外国人の方が列をなして写真を撮っている風景が見られます。またその後に作られた「モヤイ像」は「渋谷フクラス」の横に移転し2025年1月に除幕セレモニーが行われました。ちなみにイースター島の「モアイ」とは字が異なります。今後は新たな「ハチ公広場」が作られる予定です。

スクランブル交差点方面からの視点:

<出典:渋谷駅街区開発計画 第II期(中央棟・西棟)計画事業者>

近年に完成した渋谷駅周辺の大規模プロジェクトは

2000年には西口に「渋谷マークシティ」が開業し、その後も続々とプロジェクトが完成しています。「渋谷」駅は駅構内はもとより周辺にも再開発も進んでいます。まず駅東口前に「東急文化会館」がありプラネタリウムがある事でも知られていましたが、2003年に閉館し建替えられ「渋谷ヒカリエ」として2012年に開業しました。

渋谷駅周辺は長期に渡って街が進化し、高層ビルに囲まれたビジネス街に変貌を遂げつつある事が分かります。

◼︎渋谷駅周辺の再開発の様子

開業年施設名
2012年渋谷ヒカリエ
2017年渋谷キャスト
2018年渋谷ストリーム
2018年渋谷ブリッジ
2019年渋谷ソラスト
2019年渋谷スクランブルスクエア(東棟)
2019年渋谷フクラス
2023年渋谷サクラステージ
2024年渋谷アクシュ

渋谷駅から外に降り立つと、西口、東口ともに非常の多くのビルが目に入ります。ビルには多くの企業を始め商業施設も多く入っており賑わいも増しています。

渋谷駅周辺の今後の再開発計画は

◼︎「渋谷スクランブルスクエア第II期」

渋谷駅に直結の「渋谷スクランブルスクエア」は現在完成しているのは東棟ですが、2031年度には「渋谷スクランブルスクエアの第II期(中央棟・西棟)」も2031年度に完成の予定です。東棟には多くのお店が入り、カフェなどもよく満員となっているのを見かけますが、渋谷スクランブルスクエアの全館完成後にはさらに商業施設の規模が大きくなります。「渋谷」駅の開発も大詰めを迎える事になります。

◼︎「宮益坂地区第1種市街地再開発事業」

「渋谷」駅から東西に延びる道玄坂・宮益坂は大山街道とも言われ、渋谷区の「大山街道整備計画」により整備が進められています。「渋谷」駅東側の宮益坂のエリアでは「宮益坂地区市街地再開発組合」の設立が東京都から2025年4月に認可されました。

A街区では地上33階建てのビル、B街区では7階建てのビルなどの建設が予定されています。ヒカリエの北側になり、雑居ビルなども多いエリアでしたが、「渋谷」駅東側駅前も大きく変わる事が予想されます。2031年度開業予定です。

外観イメージパース(渋谷駅方面より本地区を望む)左:A街区 中央:B街区:

<出典:宮益坂地区市街地再開発準備組合他>

◼︎「Shibuya Upper West Project(渋谷アッパー・ウエスト・プロジェクト)」

東急百貨店本店跡地の再開発が進められています。渋谷駅から少し離れた松濤などの高級住宅地にも近いエリアにあります。

筆者もかつて東急本店前のマンション情報館にいたこともあり懐かしいエリアです。

地上34階のビルが建設され、高級外資系ホテルや「Bunkamuraザ・ミュージアム」、賃貸住宅なども入居する予定です。

◼︎「渋谷二丁目西地区第一種市街地再開発事業」

「Shibuya REGENERATION Project」として、渋谷エリア最大級の再開発とも言われています。渋谷駅から見て「渋谷ヒカリエ」の奥に位置し、六本木通りから青山通りに至る2.9haと非常に大規模なエリアが計画地となっています。B街区には208m、C街区には175mのビルなどの他、大規模バスターミナルなどが建設され、2029年度竣工予定です。

以上見てきたように渋谷駅やその周辺の大規模再開発はいよいよ全体像を現わしてきました。まさに今、渋谷を含めて東京都心は「再開発ラッシュ」と言えるのではないでしょうか。

今後渋谷駅は企業の集積も進み、沿線上の住宅需要も大きく増加する可能性もあります。渋谷駅には多くの路線が乗り入れていますので、周辺や沿線の不動産の資産価値にも影響を与える渋谷の再開発をこれらも注視していきたいと思います。

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