不動産投資は“備えすぎない資産形成”になり得るのか? インフレ時代に持つべきバランス思考
将来不安やインフレの進行を背景に、資産運用を始める人が増えています。しかしその一方で、「投資を優先するあまり、今の生活が圧迫されているのではないか」という違和感を抱く人も少なくありません。本記事では、NISAや株式投資だけに偏らない視点から、インフレ時代における資産形成の本質を整理します。不動産投資を含めた“備えと生活のバランス”という観点から、長期的に納得感のある資産設計の考え方を解説します。
中東情勢や金利変動、インフレの進行など不確実性の高い環境下で、個人の資産は外的要因に影響を受けやすくなっている。一方で、多くの人は投資を始めているものの、どの程度備えるべきかという判断軸を持てていない。重要なのは過度な積立や偏った投資ではなく、現在の生活とのバランスを保ちながら長期的に資産を設計すること。不動産投資を含めた分散と安定収入の組み合わせが、その一助となる可能性があります。
NISAはやりすぎると生活を圧迫する?適切な投資バランスとは
最近トレンド入りしたワードとして「NISA貧乏」というのがあります。
これは国が提唱しているNISA人口の増加に伴い、毎月のNISAの積立額により可処分所得が減り、生活が豊かでなくなるという現象です。高市内閣の片山財務大臣もこの「NISA貧乏」という言葉には驚きを隠せなかったようです。
筆者は昨年来ずっとNISAやiDeCoのやりすぎは現在の生活に負担が来ると講演活動を通じて警鐘を鳴らしてきました。例えば同じ給料でもあまりにも先々に焦点を置いて資産運用をし過ぎると、当然の事ながら現在の生活を楽しむ事ができなくなります。
筆者の持論としては、「国はNISAもiDeCoも推奨はしないで(もちろんやりたい人はやるべきですが)、どうぞ老後の年金問題については国に任せてもらい、国民の皆様はどんどんお金を使ってもらい、消費に貢献して下さい」というものです。
消費が高まれば企業の売上が伸び、結果的には給与所得が上がり、国の法人税や消費税などの税収も増え、財政にも貢献する訳です。本来あるべき国の政策はそうなるべきと考えます。つまり結論としてはNISAもiDeCoも程々にという事です。
インフレ時代の資産形成はどう変わる?安さより価値が重視される理由
従来のデフレ時代からインフレ時代に大きく潮目が変わってきました。デフレ時代にはとても安い牛丼なども出現し、大手ハンバーガーショップのハンバーガーが65円まで値下げするという時期もありました。当時はとにかく安いものに価値が置かれた時代でした。
かつては投資用マンションにおいても多少古くても安くて利回りが高いマンションが脚光を浴びてきました。しかしながらインフレ時代になってくると安いものではなく多少高くてもクオリティの高いものに人気が出てきます。なぜならインフレで金利が上がっても立地や利便性の良くない不動産は賃料が上がりづらいからです。従来の安い不動産とは「賃料がそのままで物件の価値が下がり、その結果利回りが上がっただけ」という単純な話です。
これからのインフレ時代においては、住宅ローン金利が上がってもそれ以上に賃料が上がり、結果的に資産価値の増大に結び付くというマンションを選ぶ事が大切です。結論としてはとにかく「好立地の高クオリティの物件」を購入する事が大切だという事です。
中東情勢は資産運用にどう影響する?いま求められる「備え」とは
2026年2月28日に始まった今回の紛争は、まさに世界中にその影響を与えています。特に原油価格の大幅な上昇は経済に与える影響がとても広範囲で大きい問題となっています。日本には約8カ月分の石油備蓄があり、政府は3月16日からその備蓄の放出を開始しました。国内備蓄の約2割が放出されその量は過去最大となります。
1970年代に中東戦争により発生したオイルショックで原油価格が4倍になり、その教訓から石油の備蓄がなされています。
つまり大切なキーワードは「備え」です。有事への備え、健康への備え、老後の生活設計への備え、ありとあらゆる備えがあります。
但しあまりにも備えに意識が行き過ぎて現在の生活が委縮しては仕方ありません。
程よい加減で備える意識がより大切となるのではないでしょうか。
お金はいつ使うべき?今を楽しみながら資産形成する方法とは
お金も時間もそうですが、同じお金、同じ時間でもその過ごし方、タイミングによってその楽しさには温度差が出てきます。読者の皆様もそうだと思いますが、例えば1週間の中で「休日の前の日の夜」は1週間の中で一番楽しい時間帯の一つではないでしょうか。逆に同じ休みでも毎日が休み、長期の休みなど、休みすぎると「休み疲れ」が発生する事もあります。つまり「オンがあるからこそオフが楽しい」という事です。
またお金に関しても体力・豊かな感性、様々な好奇心がある若い時に使うお金と晩年に使うお金、どちらが有益に使えるでしょうか。もちろんこれは人にもよりますが、圧倒的に若い時であると考えます。
筆者は若い頃から海外旅行が大好きで20代、30代の時も多くの国に訪れました。
自分と同世代の人達がどのような住宅で、どのような暮らしぶりをしているのか興味津々で一気に自分の世界観が広がった経験があります。
という事で今現在の生活を有意義に暮らすためには、「他力本願投資」がお勧めです。これはまさしく他の人の力を借りて投資をするという事です。
具体的には不動産投資で赤の他人の家賃収入からローンを返済して元金返済につなげ、資産形成をするというものです。あとは時間の経過と共に資産が増えていきます。
なぜ外的要因に左右されるのか?安定資産としての不動産投資の考え方
NISAやiDeCoなどを含めた株式投資をしている方は多いと思いますが。株式市場は様々な要因・出来事やニュースなどにも敏感に反応します。例えば利上げ観測やトランプ氏の関税方針により株価が下落したり、高市首相の就任で株価が上昇したりと、その株価の上がり下がりに一喜一憂する場合もあります。
読者の皆さんは将来、特に「老後のための資産形成」を目指している方も多いと思いますので、このような「外的要因」により資産価値が変動する投資はあまり好ましいとは言えないかもしれません。
中東情勢やトランプ氏の政策など、海外情勢は日々大きく変わってきています。こうした外的要因の影響を受けづらい投資としては、「不動産投資」が挙げられます。
不動産のインカムゲインである賃料収入を得る投資であれば、賃料は一定しており、またインフレにも強い投資と言えます。
今後もエネルギー価格の上昇や世界的な出来事、自然災害などが起きる中でも、不動産からの賃料収入は安定しており将来的にも安心と言えます。
不動産投資を“知識”から“判断”へ
本記事では、不確実な時代における資産形成の考え方として、「備え」と「今の充実」のバランス、そして外的要因に左右されにくい投資の重要性を見てきました。ここからは、具体的な判断軸をもう一歩深めるための視点を整理します。
▶まずは全体像を理解する
不動産投資のメリット・魅力とは?:
・なぜ不動産が資産形成に使われるのか
・他の投資と何が違うのか
・長期で持つ意味とは
👉 不動産投資の基本構造を整理したい方はこちら
▶ リスクをどう捉えるか
不動産投資のリスクと対策:
・空室・金利・修繕リスクの実態
・管理によって変わるリスクの大きさ
・「知らないこと」が最大のリスク
👉 本記事の“管理の重要性”を深く理解したい方はこちら
▶ 実際にやるとどうなるのか
オーナー体験談:
・始める前の不安と実際のギャップ
・長期保有で感じる変化
・管理・運用のリアル
👉 判断ではなく「実感」で理解したい方はこちら
執筆:野中 清志(のなか きよし)
住宅コンサルタント|株式会社オフィス野中 代表取締役
マンションデベロッパーでの実務経験を経て、2003年に株式会社オフィス野中を設立。 特定の企業に属さない第三者的な立場から、首都圏・関西をはじめ全国各地でマンション購入に関する講演・コンサルティングを行う。
居住用マンションから不動産投資(資産運用)向けセミナーまで、年間100本近い講演をこなす「マンション選びの第一人者」。膨大な供給データと開発現場への深い知見に基づいた、先見性の高い解説に定評がある。