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【2025年最新】東京の地価動向と不動産投資戦略|銀座・歌舞伎町・中野が示す次の成長エリアだだ

不動産投資において、地価の動向を読み誤ることは投資判断そのものを誤ることにつながります。特に近年の東京では、マンション需要の高まりや再開発、インバウンドの回復を背景に、地価が想定以上のスピードで上昇しています。

本記事では、国土交通省が公表する最新の「地価LOOKレポート」をもとに、東京の地価がなぜ上昇しているのか、そして銀座・歌舞伎町・中野といった注目エリアが不動産投資にどのような示唆を与えているのかを、投資家目線で分かりやすく解説します。

今後の不動産市場を見極めるうえで欠かせない「地価の本質」を、ぜひ最後までご確認ください。

地価は上昇傾向に

近年ではマンション需要の増加から土地需要も高く地価も大きく上昇しています。

公示地価・路線価・基準地価などはそれぞれ1年に1回の公表となります。そのため国土交通省は比較的短期の指標を示す地価LOOKレポートを発表しています。これは四半期(年に4回)ごとに主要都市の高度利用地の地価が発表されるものです。集計エリアは全国80地区ですが、2025年10月1日時点の地価動向では80地区の全てが上昇となり、横ばい、下落の地区はありませんでした。住宅地では14期連続、商業地では7期連続で全地区が上昇となりました。地価の上昇傾向が続いている事が分かります。

国土交通省では地価上昇の要因として、住宅地では「利便性や住環境の優れた地区におけるマンション需要に引き続き堅調さが認められたことから、上昇傾向が継続。」商業地では「再開発事業の進展や国内外からの観光客の増加もあり、店舗・ホテル需要が堅調であったこと、また、オフィス需要も底堅く推移したことなどから、上昇傾向が継続。」とコメントしています。

東京の地価動向は

地価LOOKレポートでは全80地区のうち、東京都では区部が19地区、多摩エリアが2地区の計21地区となっています。

東京では全地区で地価が上昇となり、2024年第2期(2024年1/1~4/1)以降7四半期連続で全地区が上昇となりました

また今回2期連続で高い上昇率(3~6%の上昇)が見られた地区は全国で5地区あり、そのうち3地区が東京都の地区となっています。この3地区について見てみたいと思います。

全国で2期連続高い上昇率が見られた地区

都市名地区
東京都中央区銀座中央
東京都新宿区歌舞伎町
東京都中野区中野駅周辺
京都府京都市京都駅周辺
福岡県福岡市大濠
<国土交通省「令和7年第3四半期地価 LOOK レポート」>

参照:国土交通省「令和7年第3四半期地価 LOOK レポート」

東京都の地価動向

行政区区分地区地価上昇率
2025年
4/1~7/1
2025年
7/1~10/1
千代田区  住宅番町
千代田区  商業丸の内
千代田区  商業有楽町・日比谷
中央区  住宅佃・月島
中央区  商業銀座中央
中央区  商業八重洲
港区  住宅南青山
港区  商業六本木
港区  商業虎ノ門
新宿区  商業新宿三丁目
新宿区  商業歌舞伎町
渋谷区  商業渋谷
渋谷区  商業表参道
豊島区  商業池袋東口
台東区  商業上野
港区  商業品川駅東口周辺
江東区   商業青海・台場
世田谷区  住宅二子玉川
中野区 商業 中野駅周辺
武蔵野市 住宅 吉祥寺
立川市 商業 立川
<国土交通省「令和7年第3四半期地価 LOOK レポート」よりオフィス野中作成>

地価上昇率0%超~3%未満
地価上昇率3%以上~6%未満

参照:国土交通省「令和7年第3四半期地価 LOOK レポート」

(1)中央区銀座中央(商業地)

銀座と言えば日本一地価が高い事でも有名なブランドエリアです。圧倒的なインバウンドの増加による賑わいと日本国内においても所得格差が鮮明化する中で、富裕層の購買意欲がいかに高いかを示しています。

さらに銀座エリアは超高級ホテルを始めとする需要やハイブランド店を中心とする店舗賃料の上昇も影響があると考えられます。新規出店の店舗需要が高く賃貸需要、購入需要ともに旺盛で地価の上昇につながっています。

(2)新宿区歌舞伎町(商業地)

歌舞伎町については昔の歌舞伎町と違って町の健全度が大幅に上昇し、国内外から多くの人を引き付ける魅力が増しているようです。筆者も最近久々に夜の歌舞伎町を歩きましたが、昔の雰囲気との違いに驚く程です。

2024年4月には「歌舞伎町タワー」が開業し、インバウンドを始め多くの観光客で活況を呈しています。店舗、オフィス、ホテルなどの需要も多く、「歌舞伎町タワー」を中心とした発展も今後続くと考えられます。

(3)中野区中野駅周辺(商業地)

また中野区中野駅周辺は筆者のオフィスがあるエリアですが、大手企業、大学が集積し南口には住友不動産を中心とする再開発、北口には三井不動産などの超高級タワーマンション、さらに中野サンプラザ周辺の再開発も進展中です。またサブカルチャーで有名な中野ブロードウエイでは多くの外国人観光客でにぎわっています。平日・土日関係なく、常に多くの人で賑わっており、地価が上がるのも当然だなと感じます。

また新たなオフィスが多く建設されており、竣工前から満室となるなど高い稼働率となっておりオフィス賃料も上昇傾向にあります。中野サンプラザの再開発計画は現在検討中ですが、周辺エリアでは複数のプロジェクトが進行中です。タワーマンション建設による人口の増加、新規オフィスによる就業人口の増加、駅上の商業施設の建設など将来の発展が期待できるエリアとなっています。

地価上昇は周辺部に波及

さらに地価LOOKレポートでは、都心部だけでなく、二子玉川、吉祥寺、立川などの地価も上昇が継続している事を示しています。さらに神奈川県の横浜市や川崎市、埼玉県さいたま市、千葉県の千葉市、浦安市、船橋市など多くのエリアでも地価上昇が継続しており、地価上昇は東京周辺部にも波及している事が分かります。こうした周辺部のマンション価格も今後上昇していく可能性があります。

地価の今後の懸念材料

今後の特に商業地の動きを見る上で、大切なポイントが、現在進行中である日中の緊張関係です。

このまま緊張関係が続けば年間3千数百万人のインバウンドうち多くの割合を占める中国人の来日が減少すると、ホテル需要や商業地における店舗の売り上げの減少などにも影響が出る可能性があります。しかし世界には70数億の人口があり、中国人の減少を補って余りあるインバウンドの潜在需要がある事は確かです。

地価は株価と違い日々動くものではありませんので、その影響などが顕在化するにはタイムラグが出るのは当然の事です。日本経済そのものは巡行速度ですが上昇傾向となっており、駅近の商業地や好立地の住宅地の需要が下がる事は現実的ではありません。

今後の不動産市場へ与える影響は

日本の国土はその経済規模からすると極めて狭く、さらに大都市圏への人口集中という背景からとりわけ東京の地価は極めて希少性があると考えられます。

東京の好立地の土地は不動産業界はもとよりホテル業界・メディカル業界など様々なプレーヤーから引く手あまたの存在となっています。

高市政権が経済の好循環を目指すように不動産業界においても、<特に商業地における店舗の売り上げ増大→不動産賃料の増大→地価の上昇>といった一つの循環パターンがあります。今後は景気拡大と共にそのようなサイクルの中で特に駅近の商業地の地価の上昇には持続性があると考えます。

野中 清志(のなか きよし)
住宅コンサルタント

マンションデベロッパーを経て、2003年に株式会社オフィス野中を設立。
首都圏・関西および全国でマンション購入に関する講演多数。内容は居住用から資産運用向けセミナーなど、年間100本近く講演。

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