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不動産投資は客観性も大切な要素【プロが教える不動産投資コラム】

不動産投資の物件を選ぶ際にはどのような視点で選ぶべきでしょうか。不動産投資をする際には「主観性」と「客観性」の二つの視点が大切となります。長い人生の中でも不動産購入は最も高価な買い物であり、最も長くつきあう対象と言えます。今回は投資用マンションの選択法について考えてみましょう。

マンションは個別性が高い「一物一価」

マンションに限らず不動産はいわゆる「一物一価」であり、この世に同じ不動産は存在しません。同じ一棟のマンションにおいても東西南北・階数によってすべての部屋は異なります。つまりマンション購入を購入するという事は、極めて「個別性が高い物」を選択するという事です。

ちなみに2020年は東京首都圏において約8,000戸のワンルームマンションが新規供給されました。それだけ多くの対象から選択するには一定の条件・基準を設定する事はとても大切と考えます。

「居住用」と「投資用」は求められる条件が異なる

同じマンションでも自分で住むための「居住用」と、第三者に貸して家賃などの収益を得るための「投資用」に分ける事ができます。

「居住用」の場合には自分自身の勤務先や家族構成、縁故関係など様々な要素・要因によって主観的に決める傾向があります。つまり自分の好みや都合・条件が優先的に反映される訳です。

しかしマンション投資の場合には、購入するのは自分自身ですが、それを貸したり将来売却したりという時には、いきなり全国の人が対象となる訳です。つまり多くの人に好まれる条件が必要となってきます。

ここで大切な事はいわゆる「客観的」な視点です。

客観的な視点とは

  1. ある程度知名度が高いエリアかそのエリアに近接・アクセスしやすい場所
  2. その物件が存在する沿線が住みたい沿線ランキングなどに入っていればよりベター
  3. 現在の状況だけではなく将来的な再開発・延伸計画などの視点も大切です

このような誰もが共通認識として持てる価値観が共有できる投資対象はそれだけ「交渉のテーブル」に乗りやすいという事です。

ファミリーマンションとの違いは

またファミリーマンションを購入する方は家族構成にもよりますが、例えば夫婦で子供が二人いる場合、ご主人様の通勤事情、奥様が好む住環境、お子様にふさわしい教育環境、自然環境など様々な要素が住宅購入の選定にからんできます。

ここはやはり居住されるご家族の主観的な嗜好が大きな影響を与えます。

しかしワンルームマンションなど投資を目的とする不動産購入においては、ファミリーマンションで重視される居住性に加えて、資産性、収益性という大きなキーワードがポイントとなります。 もちろんファミリーマンションを購入する方においても近年は資産性を重視する方が増えていますが、投資系の不動産は資産性、数字で評価される収益性など客観的な視点が重要視されます。

どんな沿線を選ぶか

ちなみに大手不動産系サイトの住みたい沿線ランキングでは1位が山手線、2位が京浜東北線、3位が東急東横線、4位が中央線、5位が東急田園都市線となっています。

このような上位ではなくてもある一定の人気がある路線や駅に買う事はベターですが、かならずしもベストではありません。

中には山手線の駅の喧騒から離れて山手線の駅から3つ目とか5つ目、または快速とか急行が止まる駅も人気がるからです。

京浜東北線は人気があって2位となっていますが、この要因としては首都圏の状況客数ランキングで京浜東北線の駅が上位10駅の中で6駅も占めている事もあります。 このように不動産投資をする際には沿線、駅における客観性が重要ですが、また街においても同様の事が言えます。ファミリーマンションを購入するのであれば、閑静な住宅街が理想のエリアと言えるかもしれませんが、ワンルームマンションの大半は商業地域に建設されますので、そこは居住性よりも「駅近の利便性・資産性・収益性」という客観的な視点で判断する事が大切です。

不動産投資が上手くいかないケースは

不動産投資において上手くいかないケースとして当社にも時々相談で訪れる方がいらっしゃいますが、親、兄弟、いわゆる親族から相続などで譲り受けた土地に、市場調査をあまりしなかった状況の元で軽量鉄骨あるいは木造などのアパートを建設です。

本来不動産投資において大切な事は徹底した立地のマーケティングです。

例えば下記の4つが挙げられます。

  1. 当該エリアにおける最寄り駅の乗降客数のトレンド
  2. 当該エリアにおける賃貸物件の入居率または空室率
  3. 当該エリアにおける過去10年間の地価動向のトレンド
  4. 当該エリアにおける人口動態さらに単身世帯の人口動態

不動産投資にはエリア選定が重要な指針

つまり「ただ目の前に土地がある」からアパートを建設するというシチュエーションでは、結果、当初の目論見通り入居者が集まらず、結果家賃が下がり、その結果アパート自体の資産価値も下落する、というケースも散見されます。

古いアパートなどで入居率が低い物件は最も多い問題は代表的なものが下記2つです。

  1. 金融機関からのローン評価が出ない
  2. 管理費や修繕費が不足する

ローン評価が出ないという事は売却が難しくなります。

また入居者がいないアパートは当然の事ながら管理費・修繕費が不足しますので、適正な時期に適正な修繕が実施できない場合には急速に建物が劣化し、資産価値が低下するというケースもあります。建物はどこで建設しても建築費は変わりませんが、建物の劣化のスピードはそのこのように不動産が置かれた環境や条件によって大きな差異が出るという事です。

やはりここでも主観的な視点だけではなく、客観的な目線でその不動産を見る事が極めて大切であるという事です。

利回りと収益性の関係は

マンション投資の指標として「利回り」があります。利回りが高いマンションがイコール収益性に直結するかというと、そうではない客観的な事実もあます。

例えば<A>というワンルームマンションは価格が3,000万円で利回りが4%、年間家賃収入が120万円、入居率が99%とします。

一方<B>という地方都市の格安ワンルームマンションは価格が1,000万円、投資利回りが6%、年間家賃が60万円、ただし入居率が70%と仮定します。

この場合<A>のマンションは高い入居率を維持していますので、「安定した4%」となります。

一方<B>のマンションは利回りは6%ですが「不安定な6%」となる訳です。

このように客観的に見る事のできる数字をどう捉えるかが不動産投資の一つのポイントとなります。

つまり不動産投資をする際には「唯我独尊」という主観的な目線だけではなく、第三者目線という見方も極めて重要となります。

第三者からの評価も重要となってくる

不動産投資におけるもっとも「第三者目線」と言えるのはズバリ、不動産投資の融資を行う「金融機関」となります。金融機関のローン評価そのものが不動産の客観的な資産価値という捉え方もできる訳です。

銀行からお金を借りる際も主観的には何千万のローンを借りるのは抵抗を感じる怖いという気持ちもあると思いますが、客観的に見れば銀行から多額の融資を長期で受けられるという自分自身の信用力、さらに物件の担保評価が認められている事です。

つまり銀行などから融資を受けられるマンションは第三者からその「資産価値」が認められていると考えられます。特にワンルームマンションなどを専門に扱う会社から新規に発売されるマンションは金融機関からの担保評価を始め投資用不動産としての様々な条件もクリアしており、客観的な視点から見ても安心して購入できると考えられます。 このように不動産投資をする際には主観的な考え方だけでなく、客観的な視点もバランスよく交えて検討する事が大切と考えます。

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