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1964年東京五輪から2021年東京五輪まで日本の住宅事情はどのような変化を遂げたのか【プロが教える不動産投資コラム】

2021年7月23日に第32回五輪開催が催されました。

今回の東京五輪につきましては2014年の開催決定時からは想像もつかなかったような展開が起き、様々な紆余曲折があったものの無事開催の運びとなりました。

今回は1964年当時の住宅の事情、さらにその変化、また現代における住宅事情、課題、問題点について考察してみたいと思います。

第1回東京五輪は終戦の19年後

第1回目の東京五輪が開催された1964年(昭和39年)当時は終戦の後まだ19年しか経過しておらず、日本人の生活状況、住宅環境は必ずしも良好とは言えない状況でした。

当時の資料(※)によると、五輪開催少し前は昭和元年から終戦までに建てられた家屋が395万戸、また大正時代以前の住宅が679万戸あり、戦後のバラックも多くある時代でした。その後の高度経済成長の時期を経て、日本の住宅事情は大きく変化してきたのです。 (※)経済企画庁「昭和38年 年次経済報告」・昭和33年住宅調査のデータ

1965年の水道普及率は7割弱

読者の皆さんからすると信じられないかもしれませんが、五輪開催当時は住宅に水道がある世帯は7割弱で、残りの3割は井戸などを利用していたそうです。

また自宅にお風呂がある家庭の割合も極めて低くその後急速に普及して行きます。2008年には東京都では97.6%となりほとんどの家庭にお風呂が普及し、その後は自家風呂の有無についての調査は行われなくなったそうです。

当時は民間アパートや都営住宅などでは浴室がない場合が多かったので、自宅近くの銭湯に通う方が多くいらっしゃいました。銭湯が「街の社交場」としての役割も果てしていた訳ですが、2020年における銭湯の数は当時の20%弱と大幅に減少の一途をたどっています。

ちなみに1980年代のワンルームマンションに多く普及したいわゆる3点ユニットの浴室は1964年の東京五輪開催をきっかけに建設されたホテルニューオータニに初めてTOTOのユニットバスが採用されました。ユニットバスとは天井・壁・床・浴槽が一体化したもので、通常の浴室と比べると工期が極めて短いものでした。つまり第1回東京五輪で開発された設備がその後ワンルームマンションなどに活かされた訳です。

「三種の神器」とは?

当時は結婚して「三種の神器」と言われる家電(テレビ・冷蔵庫・洗濯機)を買いそろえ、公団住宅の田の字型の2DKに住む事が一つの「ステータス」という時代でもありました。ちなみに2DKとは今のコンパクトマンションに相当します。

では現在の「三種の神器」は何でしょうか。まず筆者が考えるに「スマホ」「パソコン」が挙げられますね。他のもう一つを考えた場合、昔なかった多くの家電が普及していいますので。読者の皆様にも考えて頂くのも面白いと思います。

近年はマンションの浴室には浴室乾燥器・ミストサウナなどの設備があるものもあり、年々進化しています。 このように時代の変化と新しいニーズにより今後のマンションの設備もますます進化していくでしょう。

住居形態と住宅の進化

当時は現代のようなマンションという居住形態はあるにはあったものの一般庶民からすればまさしく「高嶺の花」という対象でした。

住宅の形態としては下記5つなどに分ける事ができました。

  1. 一戸建て
  2. 民間アパート
  3. 都営住宅
  4. 公団住宅
  5. 企業における社宅

日本における様々な分野において革新的な技術開発が随所に行われ、経済規模が年々大きくなった日本経済の中で住宅も大きな進化を遂げてきました。

1970年台位からいわゆる「民間分譲マンション」が多く供給されてきました。 私の古巣の大京は1970年台後半から29年連続供給戸数日本一という実績を作り上げてきました。

マンションの普及と設備の向上が進む

民間分譲マンションはある一定の年収がなければ買えないもので、今ではごく普通にあるオートロックなどは1980年台前半に初めてマンション業界に定着した訳です。

その後、また第1回東京五輪の際には世界中から要人が来日しますので、セキュリティへの関心が急速に高まった時代でもあります。そのセキュリティ技術が住宅にも普及し始め、防犯面においても大きな役割を果たしました。

1981年には新耐震設計法が施行され、住宅における耐震基準が一機に高まった時代となりました。

近年ではSDGs(環境に配慮した建物)が脚光を浴び、またDX(デジタルトランスフォーメーション)という名の元様々な通信機能が充実した住宅も多くなり始めています。

住宅の普及には住宅ローンを始めとする貸し手の姿勢、借り手の需要も当然必要で、さらに政府による住宅促進税制など様々な後押しがあり現在に至っています。住宅は個人の資産であると同時に一つの社会インフラという見方もできる訳です。

住宅の役割はそこに住む方が安心安全に暮らせる事が必須条件となります。最近では全国の山岳丘陵地帯で土砂災害など建物のクオリティのみならず土地のクオリティ(地盤・液状化など)により関心が集まってきています。

東京都の持ち家率は低い水準が続く

第1回目の東京五輪以来、50年以上が経過しましたが、平成30年住宅・土地統計調査によると東京都における持ち家住宅率は約45%と依然低い水準となっています。この背景には一部都心エリアを筆頭に住宅価格が高騰している事も一つの要因と言えるかもしれません。

しかし住宅取得能力は後々の経済成長率や賃金の伸びによって軌道修正されていく訳です。五輪就業後の大規模な経済対策、公・民に対する投資などが重要なキーワードとなると思われます。

今後は「量より質」への転換か

1964年以来、気が付いたら東京は世界有数の大都市となり住宅価格もNY・ロンドン・シンガポール・香港などを肩を並べるエリアとなってきました。

かつて高度成長期は大量供給が住宅政策の一つの目標でしたが、840万戸を超える空き家住宅が存在する現代においてはまさしく「量より質」への転換期となっているのではないでしょうか。そのような意味では居住用はもとより、資産運用として投資用ワンルームを購入する方も経年変化により資産寿命が落ちづらいエリア・建物を購入する事が極めて大切と考えます。

以上のように1964年当時の住宅事情からするといかに現代のマンションの構造・スペックが進化したかが分かります。 これからの時代は不動産購入における「資産寿命」が重要なキーワードとなりますので、今後の住宅選びの際に参考にして頂ければ幸いです。

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