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ワンルームマンション投資における大切な着眼点とは【プロが教える不動産投資コラム】

ワンルームマンション投資を考える際に、購入を検討しているマンションが将来的にも空室になりづらく、資産価値が維持されやすい物件かどうかを検証する事が重要となってきます。

多くの物件を比較しながら時間をかけてじっくり検討する事も大切です。しかしいわゆる「優良物件」はすぐに売れてしまう傾向にあります。電化製品など大量生産される物とは違い不動産は一物一価で同じものはありませんので、購入の判断の遅れによってせっかくの物件の購入の機会を逃してしまう事もります。 今回のコラムではワンルームマンション選びのポイントについて述べさせて頂きます。

ワンルームマンション購入層とマーケットの関係は

ワンルームマンションの購入可能層が広がっています。国税庁の発表した「民間給与実態統計調査」によると、近年、ワンルームマンションのローンを組む事がほぼ可能となる年収500万円以上の層が大きく増加しています。

さらに近年の新型コロナやインフレによる社会不安などからワンルームマンション投資への関心が高まっている事からも、今後もワンルームマンションの投資需要は安定していると予想されます。

しかし、ワンルームマンションの市場規模を見ると、ファミリーマンションの発売戸数が首都圏で2021年に633物件・3万3,636戸である事と比較するとワンルームマンション年間の発売数は首都圏で2020年には140物件・6,260戸となっており(不動産経済研究所調べ)それほど大きいとは言えません。

供給に関してはこうした市場規模が続いていますが、近年はさらに新たな需要が発生しています。

不動産ファンドの購入も増加

近年は、ワンルームマンションの購入層としてJ-REITなど「ファンド」の存在が大きくなっています。新型コロナなどの影響でオフィスや商業施設の需要が不安定な状況もあり、ファンドによるワンルームマンションの一棟買いも増えている状況です。

ファンドの需要が高まれば優良なワンルームマンションが市場に出回る件数が減少していく可能性もあります。つまり、今後エンドユーザー向けのワンルームマンションの供給が減少する可能性もあると言えます。

マンション価格は上昇傾向に

ファミリーマンションは近年、価格が急上昇しました。新型コロナの影響で調整局面となっていた地価も反転の兆しが強まっており、さらにインフレによる建築素材の上昇や建築業界の人件費の上昇から建築費も上昇が進んでいます。

ワンルームマンションはファミリーマンションと比較して価格上昇は穏やかでしたが、海外情勢等の特殊要因も加わり、今後は価格上昇が進む可能性がありますので、早く購入する方がそれだけ価格的にも有利となる場合もある訳です。

また、投資用マンションは賃料と物件価格の割合である「利回り」が重要となってきます。一定の利回りを確保するためには、建設地が販売価格の高い都心部から郊外エリアにシフトする傾向も高くなる、つまりマンション価格の上昇により今後さらに立地が広域化する可能性があると言えます。

物件の判断は完全を目指さない。「第一印象」も重要

つまり、こうした状況の中で、いち早く物件を見抜く「選択眼」を持つ事が重要となってきています。しかし、初めてワンルームマンション投資をしようとしている方がいきなり物件のポイントを見抜くと言っても、当然の事ながらそれは難しい話となります。

しかしながら、全く問題意識を持たずに検討するのと、ある程度チェックポイントを抑えたうえで検討するのでは当然結果も異なる訳です。

ワンルームマンションを選定するに当たっては様々なポイントがありますので、それぞれのポイントをどれだけ満たしているかが重要となってきます。但し全ての条件を満たす「完全な物件」はあまりありませんので、全ての項目に最高のポイントを求める必要はありません。あくまでも総合点として何点つけられるかという、程度大雑把な感覚も求められます。

さらに、人間の印象が初めて出会った最初の5秒、10秒という第一印象で決まる事が多いように、物件の外観や街、沿線・駅などの「第一印象」も大切です。

物件周辺駅までの道のり、改札を出た風景や最寄り駅周辺の商業施設、さらに最寄り路線の乗車した印象や車窓の風景など様々ですが、賃借人の方も同様のイメージを持つ訳ですので、こうした印象も重要となってくる訳です。

さらにデータによって裏付けをする

さらに、マンション投資という観点から見れば、データから見た「戦略的な視点」が大切になります。企業が業績を上げていく上で様々なマーケティングデータが大切であると同様に、マンション投資においても「データ」に基づいた裏付けをする必要があるからです。

「人口動態」については人口が長期的に見て減るのか増えるのか横ばいなのか、賃貸入居者である20~40代の単身世帯人口が増えるのか減るのか、また他のエリアからの流入は多いのか、など様々なデータを検証する必要があります。但し人口が減少していても世帯数が増えている地域は単身世帯が増加していると考えられますのでマンション投資の立地としては適していると考えられます。

さらに「地価動向」も重要です。地価が上昇していればそのエリアの不動産の資産価値も保たれやすいと言えます。今回の新型コロナの影響により一時的な調整局面を迎えたエリアも反転の兆しを見せ始めています。短期的な動向だけではなく長期のスパンで推移を見守る事も大切です。

将来の変化も重要

ワンルームマンションは「将来の変化」がその物件の資産価値・流動性魅力を高める事になります。その一つが「新線・新駅・再開発」です。

近年では新線・新駅の誕生や再開発などによって不動産の価値が上がったという例も散見されます。物件周辺のみならず沿線やターミナル駅などの再開発があれば、将来性も高いと言えます。

マンションの管理も欠かせない要素

人生100年時代における資産価値の高いマンションという視点から見れば、建物のクオリティや建物管理も重要な要素となります。

既に完成しているマンションであれば、物件を目の前にした「第一印象」が極めて重要なファクターとなります。

また、データ的な面では、新築マンションの場合は耐震性や耐久性、安全性などの面においては最新の建築基準をクリアしているので安心であると言えます。 管理においても管理費や修繕積立金が設定され、さらに長期修繕計画が策定されているマンションは将来に渡って資産価値が保たれるための条件を満たしていると言えます。

まとめ

このようにワンルームマンションの投資対象としての価値判断基準はいくつかの項目に分かれますが、最終的には立地と将来性の所に配点を多少多めに置く程度が理想と考えます。

また第一印象のような「概念的」なポイントと、データで検証できる「具体的」なポイントの両方向性からチェックするという姿勢が大切です。

しかし、最終的には供給実績があり、経験豊かな不動産会社が自信をもって紹介する物件であればこれらの多くはクリアしていると考えられます。 現在、不動産投資環境としては低金利、資材高騰・地価の再上昇等の状況から買い時と考えられますので、良い物件に出会った際に見逃す事がないように、今回のコラムを参考にしてご検討頂ければ幸いです。

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