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手取り減少時代の資産運用法は?【プロが教える不動産投資コラム】

想像もつかなかった新型コロナが依然猛威を振るう中、ワクチン接種が急速に進み明るい兆しが見える反面、私たちの生活を取り巻く経済的な状況は改善するどころかむしろ様々な分野において負担が増して行く見通しです。今回はサラリーマンの方も含め、手取り減少時代における賢い資産運用について述べてみたいと思います。

給与の伸びが感じられない時代に

長らく続いた安倍政権時代においては株価も大きく上昇し企業における内部留保も大きく増大しました。

一方サラリーマンの平均給与は逆に減少傾向にあります。厚生労働省が2021年2月9日に発表した毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上の事業所)によると、2020年の基本給や残業代を合わせた給与は前年比1.2%減となりました。特に残業代は12.1%の減少となりリーマンショックの影響を受けた2009年以来の減少幅となっています。また2020年12月の平均賃金も前年比3.2%減と大きく下がっています。

ただし影響が大きかったのは飲食店やサービス業の方などで、一般のサラリーマンの方はそれほどの影響もないケースもありますが、それでも全体としては賃金の上昇も限定的となっている状況ではないでしょうか。

各国のコロナに対する支援状況は異なる

今回の新型コロナにより世界各国の経済対策は様々で、それぞれの国の経済状況には温度差があります。例えばドイツやフランスなどは国民や商業施設などに対する手厚い経済的な政策が注目されています。対象は法人だけではなく個人も含めて幅広く及んでいます。

都市を封鎖するというロックダウンをするためには国としての絶対的な経済力が不可欠となります。日本においても緊急経済対策による様々な給付金制度が確立されましたが、例えば飲食店以外の分野にはまだまだ支援が手薄であるなど課題があります。

フランスなどが手厚い支援ができる大きな要因の一つとして2000年以降からの国の財務上におけるプライマリーバランスの健全化が挙げられます。 つまり国としてこのような有事の時に大胆な財政支出ができる余力を何年も前から確立してきたからです。

新型コロナによる財政負担で国民の負担が増える

今回の新型コロナにより多くの財政支出が続いていますが、この先には国民への負担がますます増える事が予想されます。実際私達の身近なところでは、随所に値上がり現象が垣間見えます。例えば公共料金においては水道料金が大幅に値上がりしています。特にインフラ整備が遅れている、もしくは老朽化している自治体においては、10%以上値上げするエリアも多く見られます。電気代やガス代も上がってきています。

また筆者は先日銀行のキャッシュカードが破損したので新しいカードに作り替えましたが、その時に大手都市銀行の担当の方にいろいろお話をお伺いしました。まず銀行の貸金庫の年間使用料がここ数年間に5,000円以上値上がりしています。また今年1月からは新しい通帳を作ると手数料として1100円かかるそうです。さらにATMの手数料も大幅に上昇します。

近年ではネットバンクが世の中に急速に浸透していますが、例えば夜間に銀行の口座から1000円おろすと手数料が何と220円かかります。つまり自分のお金をおろすだけで実に22%の手数料がかかる訳です。また不動産を所有の方にとっても火災保険なども上がります。私が所有するマンションも火災保険料の見直しをしましたが、上昇幅の大きさに驚きました。ただしマンション投資をする場合には火災保険料の一定額は経費とする事ができます。

世帯構成・年収によっては増税も

また独身の方と扶養世帯がある世帯においてもその負担の格差が拡大していきます。

特にサラリーマンの方で年収が850万円以上の方は給与所得控除の上限額が220万円から195万円に引き下げられ、増税となります。これらの経済的な負担増は全体から見ればごくわずかな例で、他にも多くの値上げが続きます。

手取り減少時代の生活防衛が大切

このような手取り減少時代の中で各々が対策を講じる事が極めて大切です。ほんのちょっとの節約も幅広い分野に及べばその効果は大きなものに変わっていきます。

筆者は先日携帯電話の見直しをしました。当初の契約ではかけ放題+インターネット使用上限2.5GBでしたが、ここ数年間の平均使用率が月に0.5GBにも達していなかったので、毎月ベースに直すと3000円前後の無駄な出費をしていた事が分かりました。

これもほんの一例ですが、自分の生活を取り巻くあらゆる場面で少しずつ見直し・節約・倹約すれば年間を通じればとても大きな数字に化ける訳です。

さらに資産を作り、老後に備えるかという目線も大切です。

生活防衛のために投資用不動産を購入する

例えば東京都内のアクセスの良い所に投資向けワンルームマンションを一部屋購入して家賃保証などの安全なシステムを利用して不動産投資をするのも一つの方法です。キャッシュフローベースでは家賃収入とローンがほぼトントンか持ち出しがあったとしても付随している生命保険のコスト程度で所有できる物件も多々あります。

自分自身の手取りが増えないもしくは減少していくという世の中が、もしかすると今後はニューノーマルとなるかもしれません。それは日本におけるプライマリーバランスが健全化しない限りこの社会的コスト増は続くと考えられるからです。

2021年はまだ幕が開けたばかりですが、自分自身の資産増強、家庭における財務戦略を練り、家計における「キャッシュフロー」「資産形成」をしっかり確立しながら適度に消費しながら日常生活を楽しむ事も大切と考えます。

皆様のコスト負担増の中で賢い資産運用法を見出す機会として頂ければ幸いです。

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